朝、汗ばんで目が覚める。時計を見ると午前8時、もう起きなければならないが起きられない。疲れ果てているのだ。それでも、Fitbitスマートウォッチを見ると、睡眠時間は8時間、「深い眠り」は1時間半を指している。
そして、耳鳴りがする。私は、ほぼ常時、耳鳴りがしているのだが、こんなに大きなのは、疲れているときだけで、朝から、こんなに激しいのは初めてだ。母が死ぬ前、頭の中でエンジンが響いているような音がすると言っていたが、それに近いかもしれない。
母が死ぬ前、自分は末期癌に違いないといって病院に掛かっては、レントゲンを撮って奇麗で影もないと言われると他人の写真とすり替えていると言っていた。また、頭頂部から脊椎が金色の粉になって舞って出て、金属などを錆び付かせるとも言っていた。
そして、病院が相手にしてくれないからといって、連夜、119番しては救急車を呼び、私は近所の人からの苦情に加えて母の住む篠市役所に呼び出されて出向いたりした。母が医師会の相談窓口に相談したそうで、市の職員から医師会の職員まで勢ぞろいしていた。
そんなことがあって私は20㎏痩せたりもしたのだが、そのとき、医師会の職員の方が言った言葉が頭に残っている。
「一番つらいのは本人ですから」
深夜、呼び出されたり不信感を顕わにされた人たちが、それを責めず、こんな優しい言葉を発してくれる。私は涙が出た。
私も今朝、辛くて訪問看護に電話をした。そうしたら「薬の副作用を何とかしてくれといっても何ともできませんよ」と言われてしまった。そのせいかどうか知らないが、イライラやソワソワといった症状に加えて不安まで生じてしまった。
そういう現実を考えると、直接、あなたの言っていることは間違えていると頭ごなしに言わず、しかし、なんとかしてやろうと母に秘密の会合を開いてくれた松戸市役所の方々には頭が下がる。
結局、辛さというのは患者本人が抱え込むしかないのだと思う。坂本龍一が生前、癌に罹って経験したことのない痛みを感じたと言っていたが、それだって本人しか感じえないものである。辛さは代われない。だったら、その辛さに、もう少し寄り添ってもいいのではないかと思った。
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