タイトルは村松友視氏の著書から取った。絶版本で入手困難であるが(ちなみに、今、メルカリに程度が悪い本は300円で出ている)、その本の冒頭の1作を思い出す出来事があったので書く。
今日は外出し、夕食は外出先ちかくの「焼肉ライク」で摂った。そこで上記の出来事が起こった。70歳を超えると思える高齢の女性が入店し、焼肉セットを頼んだ後、ご飯のお替り(大盛り)を頼んだ。ご飯は計2杯である。

最初の1杯は、ふりかけがあるのに醤油を掛けて食べていた。飢えているのかな… と思ったが、身なりはきちんとしていて、最新のスニーカーを履いている。上から下までユニクロで、靴は、もう5年、履いている、私の方が、よほどみすぼらしい。
で、次の1杯は、さすがに醤油ではと思ったのかクーポンを使ったのか知らないが、生卵を掛けて食べた。しかし、それも最初はご飯に醬油をドボドボと掛け、その上に、不器用に割った卵を掛けた。
上記、「文化を考えるヒント」では、冒頭に、合宿か何か、全国の人が集まる旅館の朝食で、皆、ご飯の真ん中に窪みを作って卵を掛けていて、これだけ全国にあまねく広がっているということは日本の文化と言えようというようなことが書いてあった。

「日清チキンラーメン」の卵ポケットも、それが単なる話題作りであっても、これに因んだというか倣ったものであろう。有償である商品にも波及しているということは立派な文化ではないかと思ったが、あれれ? である。
果たして、卵は中央に集まることはなく、茶碗の淵へと広まっていった。彼女の食べ方は気にならなかったということは、決して食べ方が汚かったり箸の使い方がおかしかったりということはないと思う。しかし、「卵ポケット文化」が浸透していない。
そうなると、日本文化というものが崩壊しているのか… と思うが、相手は年上の人である。当然、私より上の世代から継承しているはずである。また、継承すべき子供なりがいるはずである(いないから1人で食事しているのかもしれないが)。
最近、私の中で常識と捉えていたものが常識として扱われていないようで、ネットを見ると、先に汁物に箸を付ける、ご飯は1粒残さず食べる、などというものが、まるで特殊な例として扱われており、ある意味、「文化を考えるヒント」になっている。
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