遺書。

死ぬまで生きる。その記録です。毎日、午後9時更新。

真っ当な家庭に生きたかった。


 飲んでいる。今年は親戚が独りもいなくなったし、コロナウィルス感染症で寝込んでいたので雑煮も蒲鉾も食っていない。コンビニに行ったもののキントンすらなく、モツの冷凍食品(食肉市場近くだと美味いとも感じない)などでビールを飲んでいる。

 さすがに山崎豊子さんの『華麗なる一族』みたいな家庭が真っ当な家庭とは思えないが、今日、Facebookで、高校の同級生の過去の振り返りみたいなのを見て考え込んでしまった。

 私が通っていた高校は、ハッキリ言ってクズ高校で(Googleの口コミには東大に何人も入ったというシンパの書き込みばかり)、母親が、特待生として優遇しますと言われて気を良くして進学した高校である。実際は、後の校長となる実権者が、優等生を潰して自殺に追い込むのが趣味という高校であった(このことは匿名ながら客観的事実として文部科学省のWebサイトにも掲載されている)。

 そんな中、先日、同級生の女の子のFacebookが目に入った。その同級生は母子家庭の育ちで、まぁ、私立高校であるから、あまり度が外れたのはいないが、ちょっとトッぽい子だった。特待生クラスにいるのだから頭は良いのであるが、不用品の持ち込み禁止で部活禁止なのにギターを携えて来ていた。

 なんか母子家庭だというとお涙頂戴であるが経済的には恵まれていた。布袋寅泰さんのコンサートには全国、回っていた(ファンは1ヶ所では満足しないものだそうだ)。三姉妹仲が良く、係累のいない私には羨ましい。本当、家に金があるのに気に食わないから大学に行かせないなどという私の家とは雲泥の差である。

 その後、彼女は大学の看護学部に進学し、同じ大学の医者と結婚した。私らしからぬ言い方と思う人がいるかもしれないが、その金持ち風の口の利き方が少し鼻に付く。自家用車で北海道旅行中に貰い事故をしたらしいのだが、「それで私の家のBMWは完全に大破しました」とか、息子が成人式を迎えたので三越でスーツをオーダーしたとか。

 私など成人式は監禁されて出させてもらえなかったし、自家用車(コロナだけど)にも触らせてもらえなかった。就職活動もさせてもらえなくて仕方なく母の勤めていた会社の倉庫に眠っていたヨウジ・ヤマモトのスーツで面接に行って面接官に毒を吐かれたりとか、そんなことを思い出して不快にしかならない。

 そして、今年は、息子が防衛大学校に入学しましたという制服他の写真が大きくアップされていた。これは、まぁ、制服なので作らされるのだろうし学校が指定したカメラマンが撮るのだろうが、あれだけ成人式のスーツに金を掛けました! で、さらにかと思う。得意満面の表情が嫌になる。

 まぁ、私も嫉妬心が強い。金に物を言わせられない分、訊かれてもいないのに自分で麹町・麻布の出身と言っているし、病気をして会社を辞めて今は100㎏近い体重であるが、勤めていたときは、母の会社の不良在庫から、ラルフ・ローレンが「華麗なるギャッツビー」の映画のために作ったスーツのレプリカなどを着ていた。子供のときから好きな服を着させてもらえなかったので、お洒落が好きであった。

 しかしである。いくら好きなように生きたくても、それが許されないのだ。英文学が好きで、その道に進みたくても、勉強なんて嫌いなものに決まっているから朝から晩まで机に向かってボーっとしているに決まっていると言われ全優の成績でも進学させてもらえなかったり、社会人になって大学に入っても「大学なんか出なくても立派にやっている人は沢山いる」と辞めさせられた。

 私は大学に生きたかったのは立派になりたかったからではない。好きなことをやりたかっただけである。別に米文学の学位が欲しい訳ではないし(辞めさせられた大学に、箸にも棒にも掛からぬ論文を書く教授がいたが、その人は父親も大学の英文学の教授だったそう)「華麗なる一族」みたいに世間に立派と言われたり、経済的な裕福さを手に入れたいわけではない。

 私が駿台予備校に学んでいたとき、伊藤かずえさんではないが、好きだから、この車に乗っているんです! という教員がいた。私は、ちょっと時代が遡るが、好きな作家・鷺沢萠さんの影響もあってか、今でもBMW 320i (E30)の真っ赤なカブリオレが大好きである。

 映画「プリティ・ウーマン」の、まだ冒頭の方で、主人公が、どうして、それが好きなの? と訊かれ、「それが上質だから」というようなことを答える場面があったと思う。好みが段々と「最高級」「最先端」から好きなものへと変化して行くのが作品の見どころであるが、私は、いくら世間で立派と言われることよりも、好きなことをして生きていたかった。

 ごめんなさい、悪酔いしてきた。なんか、最近、書き始めるのは良いのだが、もう、嫌だ嫌だ! という気分になってしまうことが多い。やはり、少し休むべきなのだろうか。

 

 

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